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◆【米国市況】株下落、指標堅調も中東巡り懸念強まる−146円台後半
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●米ISM非製造業指数、予想以上に上昇−昨年2月以来の高水準
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●米新規失業保険申請は低水準で推移、レイオフ限定的な状況と整合
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●米製造業新規受注、8月は前月比0.2%減 予想外の減少
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●米住宅ローン、借り換え再び活発化−金利が6%近くに低下し
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●シカゴ連銀総裁、金利は今後1年に「大幅に」下がる必要あると再表明
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●ベイリー英中銀総裁、より「積極的」な利下げの可能性示唆
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●日銀、金利を段階的に引き上げるべき インフレデータ正当化なら=IMF
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◆【米国市況】株下落、指標堅調も中東巡り懸念強まる−146円台後半
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・市場はイスラエルとイランの対立エスカレート懸念−原油とドル上昇◆OPEC産油量、9月は減少 リビアの供給停止で=ロイター調査
・米利下げの道筋を巡り、トレーダーは4日発表の雇用統計に注目
3日の米国株は下落。この日は米経済指標で明るいデータが示された一方、市場では中東での対立激化を巡る懸念が強まった。原油とドルは上昇した。
株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 5699.94 -9.60 -0.17%
ダウ工業株30種平均 42011.59 -184.93 -0.44%
ナスダック総合指数 17918.47 -6.65 -0.04%
S&P500種株価指数とナスダック100指数は小幅安。午前中は大半で上げ下げを繰り返す展開となった。バイデン米大統領はこの日、イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を支持するかどうかという記者からの問いに対し、混乱を招くような発言を行った。バイデン氏の発言を受け、市場のムードは悪化した。
原油は大きく上昇。イスラエルがイランの主要資産を攻撃した場合にイランが反撃して対立がエスカレートし、それがさらに多くの国を巻き込み世界のエネルギー輸送に混乱が生じると、市場は懸念している。
米国株は一時上げに転じる場面があった。午前中に米供給管理協会(ISM)が発表した9月の非製造業総合景況指数は、2023年2月以来の高水準となった。また先週の米新規失業保険申請件数は小幅な増加。レイオフ件数が限定的である状況に整合する水準となった。
JPモルガン・チェースのアビエル・ラインハート氏は調査リポートで、ISM非製造業景況指数と失業保険統計は「共に9月は堅調だった」と指摘。新規失業保険申請件数は「総じて非常に低い水準が続いており、これは労働市場にとって明るい兆候だ」と記した。
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのマクロ戦略グローバル責任者、マイケル・メットカーフ氏は、国際紛争が再び市場を動かす要因になっていると指摘。「市場が伸長しているためリバランスの圧力がかかる可能性はある。それが米国株にとってポジティブだとは私はみていない」と述べた。
地政学的な不透明感が強まる中、市場は米経済の健全性に関するさらなる兆候を求めている。4日には9月の雇用統計が発表される。市場では失業率が4.2%で横ばい、非農業部門雇用者数は前月比15万人増が見込まれている。
米国債は下落し、利回りは9月上旬以来の水準に上昇した。ISM非製造業景況指数が予想を上回ったほか、原油が大幅高となったことが背景。
国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.18% 4.9 1.19%
米10年債利回り 3.85% 6.5 1.72%
米2年債利回り 3.70% 6.2 1.70%
米東部時間 16時48分
外国為替市場でドルは4日続伸。市場では、FOMCの利下げの道筋が他の主要中銀と比較してどの程度積極的なものになるのか疑問が生じ始めている。ポンドは対ドルで3週ぶり安値に下落。イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、インフレが抑制された状態が続けば、同中銀は金利引き下げについてより積極的になる可能性があると述べた。
為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1232.92 3.96 0.32%
ドル/円 \146.93 \0.46 0.31%
ユーロ/ドル $1.1029 -$0.0016 -0.14%
米東部時間 16時48分
バークレイズの為替ストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コニング氏は「9月の非農業部門雇用者数で強い数字が出ればドルは上げを拡大する可能性が高い。市場がハト派寄りの織り込みを続けていることを踏まえればなおさらだ」と分析。「中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク回避の動きもドルの支援材料となっている」と付け加えた。
円は対ドルで下落し、1ドル=146円台後半。ISM非製造業景況指数の発表後には一時147円台前半を付ける場面もあった。円は2日には約2%下落していた。石破茂首相が追加の利上げをするような環境に現在はないと述べたことで、売りに拍車がかかった。
ニューヨーク原油先物相場は大幅高。イスラエルによるイランへの報復が、同国石油インフラへの攻撃を含む可能性が意識された。
バイデン米大統領はイラン石油施設への攻撃を米国は支持するかと記者団に問われ、「それをわれわれは協議中だ」と述べた。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時5.7%上昇し、1バレル=74ドルを超えた。WTI、北海ブレントともに終値で約1カ月ぶりの高値を付けた。
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「エネルギーインフラが標的として検討されていることは原油市場にとって全くの驚きというわけではないが、それに関するバイデン大統領の発言を受けて現実味が増した」と、市場の受け止め方を解説した。
フランチェスコ・マルトチャ氏らシティグループのアナリストは、イスラエルがイランの輸出能力に対して大規模な攻撃を加えた場合、原油供給は日量150万バレル減少する可能性があるとの予測を示した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は3.61ドル(5.1%)高の1バレル=73.71ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は3.72ドル(5%)高の77.62ドルで引けた。
金スポット相場は小幅に下落。日本と英国の中銀がハト派姿勢を強めるとの見通しを受けてドルが上昇したことが、金相場を押し下げた。
スポット価格は一時0.8%安の1オンス=2638.47ドルまで下落し、その後に下げ幅を縮小した。
ニューヨーク時間午後3時1分現在、スポット価格は前日比1.53ドル安の2657.16ドル。一方、ニューヨーク商品取引所の金先物12月限は9.50ドル(0.4%)高の2679.20ドルで引けた。
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